意識低い系自己啓発

アスレティックトレーナークラモトのブログ

「脳内麻薬」は有効に使おう

我々動物の脳は様々な「欲求」に支配されています。

食欲・性欲・物欲はもちろん、最近ではSNSなどの普及により「自分を知ってほしい・認めてほしい」という自己承認欲求なども目立つようになってきており、欲求の種類や大小は人それぞれです。

人はその欲求を満たす時、脳の報酬系が刺激されそこからドーパミン・エンドルフィンなどが分泌され快楽や幸福感を感じます。

それらの作用からドーパミン・エンドルフィンなどは別名「脳内麻薬」とも言われます。

1.死ぬまでレバーを押し続けるネズミ

1953年カナダ・マギル大学で行われた実験で、ラットの脳の快楽を感じるエリアに電極を埋め込み、レバーを押すと強制的に快楽を感じる仕組みを作り、ラットの生活を観察しました。

レバーを押すと気持ちいい!と覚えたラット達は喉が渇こうが、空腹になろうが、レバーに近づくと足に電気ショックが与えられる[罰]を追加しようが、子供を産んだばかりの母ネズミでさえも子供を放置してレバーを死ぬまで押し続ける。

という結果でした。この実験から、

快楽は動物の生存本能・子孫を残そうとする本能より強い

と言われだしました。

ネズミはバカだな〜と思ってしまいますが、人間も生活や身体が破綻するまで薬物・アルコールを摂取してしまったり、ギャンブルや風俗にはまってしまったり、浪費や浮気を繰り返す人は大量にいるので基本は同じかと。

2.脳内麻薬のメリットとは?

脳内麻薬のメリットは大きく2つ

①鎮痛作用

脳内麻薬の1つ【βエンドルフィン】はかなり強烈な鎮痛作用を持っており、その効果は医療用モルヒネ6.5倍と言われています。

②幸福感

脳内麻薬は脳の報酬系を刺激し、脳にとっての【ご褒美】となります。

3.運動中の脳は薬物中毒者と同じ事が起きている?

脳内麻薬のヤバい出し方は大量にあります。

薬物・自傷行為・ギャンブルなどなど多くありますが最も健全な出し方は

運動!

しかも苦痛を伴う運動!

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運動における脳内麻薬の作用で代表的な例は

ランナーズハイ

結構負荷の高いランニングをしていると最初はシンドイですが、ある程度時間が経つとその苦痛が和らぎ謎の高揚感が押し寄せてきて

「どこまでも走れそう!幸せ!」

とハイな気分になる現象ですが、ランナーだけでなく限界ギリギリのハードな運動をすれば誰にでも起こる反応です。

私も最近よく格闘技の練習に参加し、スパーでボコボコにやられた後、坂道ダッシュで記憶が無くなるレベルまで追い込まれているのですが、数日経つと「また練習して〜、坂道走りて〜」と脳が運動に依存しているような状態になります。

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運動がハードで続かないって方は、1度誰かの力を借りてでも限界まで自分を追い込んでみると、脳が運動中毒になってやりたくなってしまい、勝手に運動が継続できるレベルまでいけるんじゃないでしょうか?

まあ、運動にハマりすぎると何かしらの怪我をしたり、コンディションが悪く休まなければならない状況になってもハードな運動を繰り返し、身体を破壊してしまうケースも多くあります。

運動で出る脳内麻薬に依存してしまい、本末転倒状態になるパターンですが、ハードな運動をしている人の脳内では薬物中毒者と同じ反応が起きてるよね!との報告もあります。(※1)

4.脳内麻薬を出す手段は多く持っておいた方が良い

at-kuramoto.hatenablog.com

でも少し述べましたが、ランニングで脳内麻薬を出すには少し時間がかかるし、怪我のリスクも高いですのでおススメは

【HIIT】

HIITとは高強度インターバルトレーニングのことで、高強度・短時間の運動を不完全休息を挟みながら繰り返すトレーニングで、代表的なものとしてはバーピー・ダッシュなどですね。

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HIITを10分行うと、中強度のランニング60分行うより多くの脳内麻薬が分泌される(※2)

運動以外では、

友人が多い人ほどエンドルフィンの分泌が多い(※3)

辛いものを食べると脳内麻薬がドバドバ出てる(※4)

あとは動物と触れ合ったり、ハグをした際にもそこそこ脳内麻薬がで出るみたいです。

とりあえずおススメ動画[今すぐエンドルフィンを分泌し幸福感を得られる7つの方法]https://m.youtube.com/watch?v=lDecu0ME1Zo

脳内麻薬に支配されると破滅に向ってしまいますが、脳内麻薬を人生の幸福感を高めたり運動を継続させる手助けに有効活用できたらいいな〜と思います。

(※1)https://buffer.com/resources/why-exercising-makes-us-happier

(※2)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28722022/

(※3)https://www.nature.com/articles/srep25267

(※4)https://www.bbc.com/news/newsbeat-43709955