長期休暇で燃え尽き症候群は治らない?
世間は今【お盆休み】らしく、私も実家のある鳥取で野生に帰る準備をしています。
お盆休みは好きな事をしてリフレッシュだ〜と思っている方も多いでしょうが、アメリカ心理学会が水を差すような研究結果(※1)を発表していたのでここで勝手に紹介します。
1.バカンスでリフレッシュしたストレスは数日で戻る
1500人の男女に、1〜2週間のバカンス前後でアンケートに回答してもらい、ストレスレベルやメンタルの疲労度を調査。
結果、仕事で溜まったストレスや疲労はバカンスでかなり軽減するが、2/3の人々は仕事再開後数日でバカンス前の水準に戻ってしまった。
バカンスによるリフレッシュ効果がこんなにも小さい理由として考えられるのは
①バカンスが終われば仕事が待っているという揺るぎない事実
②殆どの人がバカンス後は仕事量が増えている
確かにどれだけ休暇中が楽しくても数日後にはまた仕事が始まると思うと萎えますし、休暇中に溜まった仕事を片付けないといけない状況になりますからね。
2.そもそも燃え尽き症候群ってどんな状態?
WHOは2022年に更新される国際疾病分類に「燃え尽き症候群」を追加すると発表しました(※2)
その中での燃え尽き症候群の定義とは、仕事による慢性的なストレスにより
・エネルギーが消耗・枯渇したという感覚
・仕事に対する忌避感・冷笑的な感覚
・専門家としての能率の低下
要は疲れて元気が出ないし、自分の仕事が嫌になったり価値がないと感じたり、パフォーマンスが落ちてくるって事ですかね。
かなり雑に要約してしまいましたがw
3.意外と多くの人が燃え尽きている?
でも実際、燃え尽き症候群と言える人ってそんないないよね?
と思ってしまいますが南オーストラリア健康医療研究所の調査では(※3)
アメリカ人医師1万5000人の44%、ロンドンの法律事務所に所属する弁護士1000人の73%が燃え尽き症候群と言える状態にあると報告しました。
人との関わりが深く専門的な職種の人ほど燃え尽きやすいと考えられています。
しかし多いな〜
4.仕事に情熱や使命感を感じている人ほどヤバい?
オックスフォード大学が動物保護施設で働く男女50人(ちょっと少ないけど)を対象に行った研究(※4)で、仕事に対するモチベーションや思想を調査。そしてその後のスキルの上達具合、心理状態の変化、仕事の継続年数を調べた。
結果、
自分はこの仕事に特別な才能がある!この仕事が大好き!この仕事で社会に貢献したい!
と思っている人ほど仕事で発生するストレスに過剰に反応してしまい、疲労やモチベーションの低下も大きかった
逆に、
仕事は仕事、人生をかけるほどでは無いよね〜
と思っていたグループは最終的にスキルの上達も早く、安定してその職場に残る傾向にあった。
なんとも悲しい結果ですね〜
燃え尽き症候群はうつ病やアルコール依存症などに移行しやすいので、対策としては
・仕事に入れ込みすぎない
・仕事以外に何か生きがいを感じれるものを見つける
・運動する
なんかが有効みたいです(※5)
まあ、我々世代は80歳ぐらいでも余裕で働き続けないと生活できなくなると思うので、「仕事は長く続けるもの」だし「死ぬまでこの仕事をやり続ける可能性は低い」と思いながら頑張ろうと思います。
(※1)https://www.fastcompany.com/3043282/the-secrets-to-recognize-and-avoid-burnout
(※2)https://icd.who.int/browse11/l-m/en#/http://id.who.int/icd/entity/129180281
(※3)https://theconversation.com/are-you-burnt-out-at-work-ask-yourself-these-4-questions-118128